
LINE公式アカウントを運用していると「外部ツールともっと連携できれば便利なのに」と感じる方も多いのではないでしょうか。実際、LINE公式アカウントではWebhookURLを1つしか設定できません。
そこで役立つのが、LINE公式アカウントの拡張ツール「Lステップ」のWebhook転送機能です。
たとえば、自社のLINE公式アカウントにメッセージを送信したとき、Lステップでタグを付けてリマインダ配信を行い、同じ情報をスプレッドシートやSlackにも自動転送するといった使い方ができます。
本記事では、Webhook転送の仕組みからできること、導入の流れ、料金、よくある質問を解説します。
Webhook転送機能とは
LINE公式アカウントと外部ツールをつなぐ鍵となるのが「Webhook転送」です。まずはWebhookとは何か、その仕組みと基本的な考え方を確認しましょう。
Webhookの基本、Webhookとは?
Webhook(ウェブフック)は、ユーザーが何か行動し、イベントが発生したときに、外部のシステムへデータを自動送信する仕組みです。
ここでいう「イベント」とは、ユーザーがLINE上で実際に行う友だち追加などのアクションのことです。
Webhook転送を使えば、こうしたイベントが発生した瞬間に、Lステップが外部ツールに自動的に情報を送ってくれます。
担当者が手動で作業する必要がないので、リアルタイムでの顧客対応やデータ管理に役立ちます。
LINE公式とLステップの違い
LINE公式アカウントではWebhookURLを1つしか設定できません。
一方、LステップにはWebhook転送機能があります。
LINE公式アカウントから受け取ったイベントをLステップで処理しつつ、同じデータを外部サービスへ転送できる点が大きな違いです。
LステップのWebhook転送でできること
Webhook転送を利用すると、ユーザーの行動データをリアルタイムに外部サービスへ連携できます。
ここでは、具体的にどんなイベントが対象になるのか、そしてどのように実務で活用できるのかを解説します。
転送できるイベント一覧
LステップでWebhook転送の対象になるイベントは、主にLINE上で発生するユーザーの行動です。
以下のようなイベントを検知し、外部サービスへデータを送れます。
- 友だち追加
- メッセージやスタンプを受信
- ボタンやリッチメニューのタップ
- ブロック/ブロック解除
これらのイベントが発生すると、その内容がWebhookで指定した外部URLに即座に転送されます。
たとえば「友だち追加」をきっかけに顧客リストをスプレッドシートに記録したり、「ブロック」を検知して退会者リストを自動更新したりといった運用が可能です。
Webhook転送の活用例
Webhook転送はイベントを外部サービスに通知するだけでは終わりません。連携先を工夫すれば、日々の運用効率化や社内の情報共有にも活かせます。
Googleスプレッドシートへの自動記録
新規の友だち追加やメッセージ受信などのイベントが起きたら、自動的にスプレッドシートへ追記されます。
顧客リストを手作業で更新する必要がなくなり、常に最新データを共有できます。
NotionやTrelloへのデータ同期
問い合わせ内容や顧客情報をタスク管理ツールに転送することで、担当者が手作業で入力する手間を削減できます。
また、対応の進捗状況をチームで共有できるため、対応漏れや防止を引き継ぐことも可能です。
ChatGPTやAIツールとの連携
LINEで受け取ったメッセージをWebhookで外部に送信し、AIツールと連携させれば、自動で内容を解析したり、最適な返信をしたりできます。
問い合わせ対応を人手に頼らず効率化できるだけでなく、顧客の質問内容を分析してサービス改善に活かせる点も大きな利点です。
このようにWebhook転送を利用すれば、Lステップのマーケティング機能と外部ツールの利便性を同時に活かせます。
導入の流れと料金
Webhook転送機能を利用するには、Lステップの管理画面からオプション申請を行います。複雑な設定は不要で、申請後に利用できるようになります。
Webhook転送機能の申請と設定方法
Webhook転送を利用するには、Lステップの管理画面からオプション申請を行います。
1.Lステップ管理画面の左メニューから「アカウント設定」>「利用プラン」を開きます。
2.オプション一覧から「LINE Webhook転送機能 転送先数:1」の詳細をクリック。
3.オプション変更「申請フォームへ移動して、Webhook転送を申し込む」をクリック。
4.表示される専用の「Webhook転送申請フォーム」に必要事項を入力して送信します。
申請からおよそ3営業日以内に承認され、Webhook転送機能が利用できるようになります。
Webhook転送機能の料金
Webhook転送機能は、Lステップの有料オプションとして契約アカウントごとに月額5,500円(税込)で利用できます。
この料金でLステップから外部サービスへデータを転送できるようになります。
ただし、連携先として利用するNotionやTrello、Salesforceなどの外部サービスについては、それぞれのサービス提供元が定める利用料が別途発生する場合があります。
Webhook転送のよくある質問
Webhook転送を利用する際によくある質問をまとめました。※2025年8月末時点
Q1:WebhookURLはどこで取得できますか?
Webhook転送で利用するURLは、連携先の外部サービス側で発行します。NotionやTrello、Salesforceなどはそれぞれの管理画面でWebhook設定が可能です。
Q2:Webhook転送は双方向通信できますか?
いいえ。Webhook転送は、Lステップから外部サービスへの一方向のみの仕組みです。
LINE公式アカウントで発生したイベントが「LINE公式→Lステップ→外部サービス」という流れで送信されます。外部からLステップへデータを戻すことはできません。
Q3:Lステップのタグ情報やフォーム回答もWebhookで送れますか?
送信できません。Webhookで扱えるのはあくまで「LINE公式アカウントで発生するイベントデータ」のみです。
Lステップ特有の情報(タグ付与、フォーム回答など)は対象外なので注意が必要です。
Q4:データが届かないときはどうすればいいですか?
設定ミスが原因のことが多いです。外部サービスで発行したWebhookURLを正しく入力しているか、Lステップ管理画面で「保存」を押したかを確認しましょう。
また、受信先システムでWebhook受信設定が有効化されていない場合もデータは届きません。
Q5:WebhookとAPIはどう違うのですか?
APIは「必要なときにデータを取りに行く仕組み」で、開発者がリクエストを送って情報を取得します。
一方、Webhookは「イベントが発生した瞬間に自動でデータが送られる仕組み」です。LステップのWebhook転送は送信専用なので、API連携とは用途が異なります。
Q6:料金はLステップの費用だけですか?
Webhook転送機能は、Lステップの有料オプションとして月額5,500円(税込)です。この料金で外部サービスへのデータ転送が可能になります。
ただし、連携先のNotionやTrello、Salesforceなどはそれぞれの利用料が別途発生する場合があります。
まとめ
Lステップの新機能「Webhook転送機能」は、LINEで起きたイベントを他のツールに自動で送れる仕組みです。
これにより、配信やタグ管理をしながら、同じ情報をスプレッドシートやNotionなどに転送し、社内の管理や共有にも役立てられます。
まずはスプレッドシートへの自動記録から始めるのをおすすめいたします。
弊社、株式会社BALSAは「Lステップの認定コンサルタント」として、数多くの企業様・実店舗様のLステップ構築・運用を担当しております。
それぞれが運用で抱える悩みを詳細にお聞きし、解決に向け最適な提案を心がけ一緒に並走するスタンスがモットーです。
Lステップの導入で迷っている・悩んでいる方は、まずご相談からでもお気軽にお問い合わせください。