Lステップのクロス分析とは?使い方・分析軸・活用事例を徹底解説

LINE公式アカウントを活用して友だちを増やしても、「実際にどの顧客がどんな行動をしているのか」まで把握できなければ、成果に直結する施策改善は難しいものです。

 

そこで威力を発揮するのが Lステップの「クロス分析」機能です。
クロス分析を使えば、「流入経路 × 購入」「年齢 × 興味タグ」「反応率 × エリア」など、複数の条件を掛け合わせて顧客の行動や特性を掘り下げられます。

 

この記事では、クロス分析の仕組みから設定方法、実際の活用事例、注意すべき失敗パターンまでを網羅的に解説します。すでにLステップを導入済みで「さらに一歩踏み込んだ活用をしたい」という方は必見です。

 

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目次

クロス分析とは?

Lステップでできるクロス分析の概要

Lステップでできるクロス分析

 

Lステップのクロス分析とは、「複数の条件を掛け合わせてユーザーの行動や特性を細かく分析できる機能」です。

  • タグ
  • 属性(性別・年代・エリアなど)
  • 行動履歴(開封・クリック・シナリオ完了)

 

などを自由に組み合わせて分析できます。これにより、単なる数値の羅列から「どんな人が、どのような行動を取っているのか」という立体的な理解へ進めるのが特徴です。

 

Lステップでできるクロス分析

単純な集計とクロス分析の違い

通常の集計は「タグごとの登録数」や「経路ごとの購入数」といった一軸での数字確認にとどまります。


一方クロス分析は「タグA × 購入率」「広告経路 × 年代別の反応率」といった 2軸以上の掛け合わせ が可能です。

 

例えば「Instagram広告経由で登録した20代女性」と「紙チラシ経由で登録した40代男性」を比較すれば、同じ友だち追加でも購買行動に大きな差があることが分かります。

なぜクロス分析が重要なのか

1. 顧客像をより立体的に理解できる

「Instagram経由の20代女性はクーポン利用率が高い」「セミナー経由の30代男性は資料請求率が高い」といった知見が得られます。顧客像を立体的に理解できるため、ペルソナ設計の精度も向上します。

2. 配信内容やシナリオ改善に直結する

クロス分析で「SNS経由ユーザーは初回配信の反応率が低い」と分かれば、SNS流入経路専用の初回メッセージを改善できます。分析と改善が直結するため、無駄打ちの少ないシナリオ運用が可能です。

3. 投資判断(広告・施策配分)が精緻になる

広告やイベントに予算を投じる際、単なる登録数だけでなく「登録後の購入率」まで分かることで、ROI(投資対効果)の判断が一段と正確になります。結果として費用配分の最適化が可能になります。

Lステップでできるクロス分析の仕組み

タグ同士の掛け合わせ分析

Lステップでは、ユーザーに自動付与される「タグ」を自由に組み合わせて分析できます。

 

例えば「Instagram広告タグ × 資料請求タグ」をクロスすると、「どの広告経路が資料請求につながりやすいか」が分かります。

 

さらに、「セミナー参加タグ × 購入タグ」を掛け合わせれば、「セミナーに参加した人のうち、どのくらいが購入に至ったか」を数値で確認できます。これはBtoB商材や高単価商品の検証に特に有効です。

 

つまりタグ同士のクロスは、「施策ごとの質の評価」をするための強力な武器になります。

行動履歴(開封・クリック)とのクロス分析

Lステップは、メッセージの開封やリンククリックといった行動データを取得できます。これとタグをクロスすれば、さらに深い分析が可能です。

 

例えば「イベント参加タグ × 初回メッセージクリック率」を調べると、「イベント参加者は最初のメッセージをしっかり読むのか、反応が薄いのか」が可視化されます。もしクリック率が低ければ、イベント参加後のフォロー内容を改善する余地があると分かります。

 

行動履歴とのクロスは、「登録後にどんな行動を取ったか」まで把握できる点で非常に重要です。

属性データ(性別・エリア)とのクロス分析

Lステップでは、性別や年齢、居住エリアなどの属性情報も扱えます。これをクロス分析にかけると、「性別 × 購入タグ」「エリア × 来店タグ」といった切り口で顧客行動を把握できます。

 

例えば、女性ユーザーは美容系商品の購入率が高い、都市部のユーザーはイベント参加率が高いといった傾向が出ることがあります。これを活かせば、広告やキャンペーンを「女性向け」「都市部限定」といった形で最適化でき、マーケティング効果が飛躍的に高まります。

経路別タグ × 反応率の分析例

流入経路(SNS、広告、店舗チラシなど)に加え、初回開封率や購入完了率を掛け合わせることで「チャネルごとの質」を評価できます。

 

例えば「SNS流入 × 初回開封率」が低い場合は、SNS経由ユーザー向けの初回メッセージを改善すべきと分かります。一方で「広告流入 × 購入完了率」が高い場合は、広告経由は購買意欲が強いと判断でき、広告施策をさらに強化する戦略を立てられます。

 

このように、流入元と行動データを掛け合わせることで、単なる「数」ではなく「質」まで把握できるのがクロス分析の大きなメリットです。

クロス分析の設定方法(実務手順)

STEP1:分析したい軸を決める(例:経路 × 購入)

最初に「何を知りたいか」を明確にします。例:「どの経路のユーザーが購入まで到達しているのか」。

STEP2:タグ・属性・行動データを整理する

タグが乱立していると分析ができません。あらかじめ「媒体タグ」「購入タグ」「属性タグ」とカテゴリーを整理しておきます。

STEP3:Lステップのクロス分析画面で条件を指定する

管理画面のクロス分析機能で、調べたいタグや属性を組み合わせます。条件をシンプルにするのがコツです。

 

クロス分析登録

STEP4:結果をCSV出力/レポートにまとめる

結果はCSVとして出力し、GoogleスプレッドシートやExcelでグラフ化すれば、経営層やクライアントへのレポートにも活用できます。

クロス分析の具体的な活用事例

アンケートの回答率をあげたい:流入経路×アンケート回答率の検証で予約率を改善

広告経路とアンケート回答率を組み合わせたクロス分析を実施した結果、LP経由は流入数が多いものの、アンケート回答率が低いことが判明し、アンケート配信メッセージの見直しに繋がりました。

 

配信内容はテキスト・画像など3種類用意し回答率を測定。その結果、LINE登録直後にアンケートを配信すると離脱が抑えられることがわかりました。

 

即座にアンケートが開始されるパターン1のメッセージで配信を継続した結果、アンケートクリック率・個別相談予約率がいずれも約2.5倍に向上しました。

流入経路×アンケート回答率の検証

【株式会社SAKIYOMI 公式アカウント運用事例】

リッチメニューの効果測定をしたい:リッチメニューのタップ数×成約の有無を検証することで、リッチメニューの最適化を実現

成約や予約の有無とリッチメニューのタップ数をクロス分析することで、成約者が特に欲している情報や、共通して利用しているボタンを可視化できます。

 

この分析結果をもとに、重要度の高いボタンを拡大、利用頻度の低いボタンを削除することで、リッチメニューの最適化を実現しました。

メッセージの効果測定をしたい:流入経路 × 配信メッセージのタップ数を検証し、個々に合わせたコンテンツ内容の作成

流入経路ごとに配信メッセージのタップ率を比較することで、ユーザーの興味・関心の違いを把握できます。

 

SNS経由のユーザーは会社や店舗の雰囲気に惹かれて登録するのに対し、HPや広告経由のユーザーは具体的な商品・サービス情報を求めて登録する傾向があります。

この違いを活かし、流入経路に最適化したコンテンツを配信することで、タップ率の改善につなげました。

クロス分析で得られる気づきと改善アクション

成果の高いセグメントに集中投資

クロス分析によって「どの層が最も成果につながっているか」が明確になります。例えば「30代男性 × Google広告経由 × 購入率40%」というデータが出れば、同じ条件での集客を強化することで効率的に成果を伸ばせます。限られた予算をどこに投下するべきか、明確な指針になります。

反応率の低いセグメントにシナリオ改善

一方で「20代女性 × Instagram経由 × 初回クリック率10%」のように、反応が薄い層も見つかります。この場合は、初回メッセージを動画に変える、特典を強化するなどシナリオの改善を行うことで離脱を防止できます。クロス分析は「改善すべきポイント」をピンポイントで教えてくれます。

新しい施策の仮説立案

クロス分析から得られる知見は、次の新規施策にも直結します。たとえば「20代女性のInstagram経由ユーザーは動画への反応が強い」と分かれば、「動画広告を強化する」「動画を組み込んだシナリオを新設する」といった新しい施策を立案できます。

 

つまりクロス分析は、単なる改善だけでなく次の成長戦略を考えるためのヒントにもなるのです。

よくある失敗と対策

1. 軸が多すぎて分析が複雑化

最初から3軸以上を掛け合わせると、データが細分化されすぎて傾向が読めなくなります。

対策: 最初は「2軸」に絞りましょう。例えば「経路 × 購入」「性別 × クリック率」などシンプルな組み合わせから始めることで、明確な気づきが得やすくなります。

2. タグ設計がバラバラで正しい分析ができない

「insta_ad」「Instagram広告」「インスタ」といったタグを混在させると分析が崩壊します。

対策: 事前に「命名規則」を統一し、タグを整理してからクロス分析に臨みましょう。

3. データを取るだけで改善に活かさない

「分析した」ことに満足して、施策改善に落とし込まないケースは非常に多いです。

対策: 分析のたびに「次のアクション」を必ず設定しましょう。例:「SNS経由はCVRが低い → 初回特典を改善」「広告経由はCPAが高い → クリエイティブを変更」など。

4. データ母数が少なく結論を急ぐ

数十件のデータで「この層は効果が高い」と判断すると、誤った意思決定につながります。

対策: クロス分析は最低でも100件以上の母数が必要です。規模によっては数百件〜数千件を集めてから本格的に判断しましょう。

まとめ

Lステップのクロス分析は、単なる登録数や開封率を確認するだけの機能ではなく、「顧客を立体的に理解し、施策改善につなげるための武器」です。

 

広告やSNS、オフライン施策から流入したユーザーが「どのような行動を取り、どの層が成果につながっているのか」を掘り下げれば、次の投資判断やシナリオ改善に直結します。

 

重要なのは、タグ設計や命名規則を整えた上で、軸をシンプルに設定し、必ずアクションにつなげることです。クロス分析を正しく活用できれば、Lステップ運用は「感覚」から「データドリブン」へ進化し、成果最大化につながります。

【この記事を書いた人】
株式会社BALSA メディア編集部
Lステップ正規代理店として、累計50社以上の企業、250以上のLINE公式アカウントの導入・運用を支援。その実績に基づく“現場で使える情報”を発信しています。

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