

- LINE公式アカウントとLステップは何が違うの?
- Lステップを導入すると、どんなメリットがあるの?
LINEを使った集客や顧客対応を検討される方で、こんな疑問を持つ方は多いのではないでしょうか。
LINE公式アカウントの拡張ツール「Lステップ」は組み合わせて使うことで、細かい分析や条件を絞った配信が可能になります。その結果、無駄な配信を減らし、配信コストを抑えやすくなります。
2025年は「チャットProオプション」の登場によりLINE公式アカウントの無料で使える範囲が変わり、さらにLステップでは月額無料の「フリープラン」が追加されました。
これにより、導入の判断基準がより複雑になっています。本記事では、料金・機能を比較し、あなたに合った選び方を解説します。
目次
LINE公式アカウントとLステップはこう違う
LINE公式アカウントは、LINEヤフー株式会社が提供する企業や店舗が利用するビジネス用のLINEアカウントです。
メッセージ配信やクーポン、ショップカードなど集客に役立つ基本機能を備えています。
引用:LINEヤフー for Business
一方でLステップは、株式会社Maneqlが提供するLINE公式アカウントの機能を拡張するツールです。
属性や行動に応じた自動配信やタグ管理による分析などを得意とするマーケティングツールです。
どちらもLINEを使った顧客対応・集客に役立つサービスですが、機能や費用は異なります。
料金や細かい機能の違いを次の早見表でまとめていますので、ご自身の運用に合うかを確認してみましょう。
< 早見表 >
LINE公式アカウント | Lステップ | |
提供元 | LINEヤフー株式会社 | 株式会社Maneql (LINE公式認定パートナー) |
料金 | 無料枠:月200通まで 有料プラン:月5,500円〜 |
フリープラン:月200通まで ※初回限定 有料プラン:月5,000円〜 |
セグメント配信 | △基本的な属性のみ | ◎自由度の高いセグメントが可能 |
リマインダ配信 | ×非対応 ※専用機能なし |
◎対応 |
予約機能 | △飲食店のみ | ◎全業種対応 |
スポットコンサル | ×非対応 | ◎対応 |
おすすめな人 |
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料金と配信数の比較
LINE公式アカウントとLステップを選ぶときに、最初に確認しておきたいのが「料金」と「配信数」です。
どちらも友だち数や配信頻度によってコストが大きく変わるため、最初に仕組みを理解しておくことが重要です。
ここでは、それぞれの料金体系と、実際にどのくらい費用がかかるのかを具体的に見ていきましょう。
LINE公式アカウントの料金体系
LINE公式アカウントは、まず「無料枠」が用意されており、月200通までであれば料金は発生しません。
200通を超えると従量課金が発生し、配信数に応じて費用が増えていきます。
例えば、500人の友だち全員に一斉配信をすれば1回で500通となり、無料枠を一度に使い切ってしまいます。
つまり「友だち数×配信回数」で必要な通数が決まり、配信頻度が高いアカウントほど有料プランの検討が必要になります。
< 料金表 >
コミュニケーションプラン | ライトプラン | スタンダードプラン | |
月額料金 | 0円 | 5,500円(税込) | 16,500円(税込) |
配信数 | ~200通 | ~5,000通 | ~30,000通 |
Lステップの料金プラン
LステップはLINE公式アカウントと併用して使う外部サービスです。そのため、Lステップの利用料に加えてLINE公式アカウントの料金も必要になります。
2025年からは「フリープラン(月額0円/200通まで)」が利用できるようになりました。
フリープランは初回限定で利用でき、従来のスタートプランと同等の機能を使えます。
「まず触ってみたい」「将来的に有料プランに移行する前に操作感を試したい」という方におすすめです。
< 料金表 >
フリープラン ※初回限定 |
スタートプラン | スタンダードプラン | プロプラン | |
月額料金 | 0円 | 5,000円(税込) | 21,780円(税込) | 32,780円(税込) |
配信数 | ~200通 | ~5,000通 | ~30,000通 | ~50,000通 |
友だち数別コストシミュレーション
料金の違いは「友だち数」と「配信頻度」で大きく変わります。ここでは、一斉配信をベースにしたシンプルなシミュレーションを用意しました。
個人経営の店舗から数千人規模のサービス運営まで、どのくらいの費用感になるのかをイメージしてみましょう。
友だち数 | 配信頻度 | 月間配信数 | LINE公式アカウント料金 | Lステップ料金 | 合計費用の目安 (税込) |
100人 | 月2回 一斉配信 |
約200通 | 無料枠内:0円 | フリープラン:0円 | 0円 |
500人 | 週1回 一斉配信 |
約2,000通 | ライトプラン:5,500円 | スタートプラン:5,000円 | 10,500円 |
5,000人 | 週1回 一斉配信 |
約20,000通 | スタンダードプラン:16,500円 | スタンダードプラン:21,780円 | 38,280円 |
※実際の配信数は「メッセージ数」でカウントされます。1回の配信で複数のメッセージや画像を送ると、その分だけ通数が増える点に注意が必要です。
このように「友だち数」と「配信頻度」によってコストは大きく変動します。
少人数・低頻度の運用であればLINE公式アカウントだけでも対応できます。
ただし友だち数が数百人~数千人規模に増えてくると、一斉配信を続けるのはコストがかさみやすくなります。
そのため、タグで条件を分けて「必要な人にだけ届ける」といった配信設計が重要になります。
また、LINE公式アカウントでも基本的な自動応答やシンプルなステップ配信は可能ですが、条件分岐や行動履歴に基づいた配信までは難しいのが実情です。
Lステップを導入すれば、タグや行動データをもとに「予約をした人にだけリマインドを送る」「特定の商品を購入した人にだけ案内を配信する」といった使い分けができ、無駄な送信を減らしやすくなります。
LINE公式アカウントとLステップの機能比較
料金と配信数だけでなく、「できることの幅」が両者を大きく分けるポイントです。
ここでは主要な機能をカテゴリごとに比較し、どんな違いがあるのかを見ていきましょう。
カテゴリ | 機能 | LINE公式アカウント | Lステップ |
配信 | 一斉配信 | 〇全員に一斉送信 | ◎全員送信+条件に応じた送信も可能 |
セグメント配信 | △性別・地域などの基本属性のみ | ◎タグ・行動履歴・経過日を組み合わせ可能 | |
ステップ配信 | △簡単な自動配信のみ | ◎条件分岐やリマインドを含む高度なシナリオ配信 | |
配信予約 | 〇対応 | 〇対応 | |
自動化 | 自動応答 | △キーワード応答のみ | ◎条件分岐やタグ付与を組み合わせた自動応答 |
リマインダ配信 | ×非対応 | 〇予約・イベント前に自動通知が可能 | |
条件分岐 | △属性やオーディエンス単位 | ◎複雑な条件設定が可能 | |
データ管理 | 友だち情報管理 | △基本情報のみ | ◎タグ・詳細プロフィール管理 |
スコアリング | ×非対応 | ◎複数条件を組み合わせて分析 | |
クロス分析 | ×非対応 | ◎配信ごとの成果を測定 | |
コンバージョン測定 | ×非対応 | ◎配信ごとの成果を測定 | |
サポート | 技術サポート | 〇公式ヘルプ中心 | ◎認定サポーターによるサポートあり |
スポットコンサル | ×非対応 | 〇有料プランで月1回無料 | |
活用セミナー | △不定期開催 | 〇定期開催 |
配信機能
LINE公式アカウントは「全員にまとめて送る配信」が中心ですが、Lステップでは「誰に・いつ・どんな内容を送るか」を細かく設計できます。
そのため、ただの一斉送信ではなく、ユーザーごとに合わせた配信が可能になります。
LINE公式アカウント
- 一斉配信やクーポン配布が中心
- ショップカードや抽選機能など販促向けの機能がある
- ステップ配信は可能だが、シンプルな自動配信に限られる
Lステップ
- ステップ配信を自由に設計可能
- ユーザーの行動や日付に合わせた配信に対応
- 予約やイベント前にリマインダ配信を設定できる
自動化機能
LINE公式アカウントでも「”営業時間”と送られたら自動で返信する」「友だち追加時にあいさつメッセージを送る」といったシンプルな自動化が可能です。
Lステップなら「状況ごとに異なる対応」を自動で処理できます。
結果として、人手では難しい複雑な対応を省力化でき、外部サービスとの連携まで可能になります。
LINE公式アカウント
- キーワード応答など簡単な自動返信が中心
- 基本的な業務工数を削減できるが、複雑な分岐はできない
- 「登録から3日後にお知らせを送る」などのシンプルなステップ配信
Lステップ
- 条件分岐やタグ付与を組み合わせた複雑なシナリオ設計が可能
- 資料請求・予約・購入など、ユーザーの行動に応じた自動配信が可能
- Webhook転送機能で、外部サービスへデータ送信が可能
データ管理・分析
LINE公式アカウントは「基本情報の把握」にとどまりますが、Lステップを使えばユーザーの行動や関心を蓄積し、施策の効果を数値で確認できます。
これにより「誰にどんな施策が効いているか」を見極めながら運用できます。
LINE公式アカウント
- 管理できるのは友だちの基本情報(性別・地域など)
- 確認できる分析は友だち数や開封率などシンプル
- 2025年からは「チャットProオプション」が導入され、無料版では履歴保存やタグ数に制限あり
Lステップ
- タグやプロフィール情報を詳細に管理できる
- 行動履歴(クリック・予約・購入など)を記録可能
- スコアリング・クロス分析・コンバージョン測定に対応
運用面(サポート体制)
LINE公式アカウントはシンプルで個人店舗など小規模運用に適しています。
一方、Lステップは導入時に学習コストが必要ですが、サポート体制が手厚く、長期的な活用を想定した機能が充実しています。
LINE公式アカウント
- 管理画面はシンプルで直感的に操作できる
- サポートは公式ヘルプや問い合わせ窓口が中心
Lステップ
- 多機能な分、初期設定やシナリオ設計には学習コストがかかる
- 認定サポート、活用セミナー、個別コンサルが用意されている
ここまで、配信・自動化・データ管理・運用面の違いを解説してきました。
実際には「どの機能がLINE公式アカウントで使えて、どこからLステップの出番になるのか」が気になる方も多いでしょう。
小規模な店舗や配信頻度が少ない運用であればLINE公式アカウントでも十分です。
ただし友だち数が数千人規模になると、一斉配信を続けるだけでは配信コストが膨らみやすくなります。
そのため、全員にまとめて送るのではなく、「必要な人だけに送る仕組み」を作ることが大切です。
こうした配信設計や詳細な分析が必要な場合は、Lステップの導入を検討するとよいでしょう。
Lステップ導入がおすすめな人の特徴
LINE公式アカウントの基本機能だけでは「配信や管理をもっと細かくしたい」と感じる場面が出てきたときに、Lステップの導入が特におすすめです。
Lステップを導入すべきケース
顧客ごとに異なる対応をしたい、運用を自動化したい、予約機能を活用したいといったニーズがある場合は、Lステップの導入が適しています。
条件分岐配信や予約管理、行動履歴に基づいた分析など、LINE公式アカウントにはない機能を活用することで、必要な人に必要な情報を、適切なタイミングで届けやすくなります。
起業したてで運用を始める人など小規模なうちからフリープランを導入しておくと、将来的にスムーズに有料プランへ移行できるのも大きなメリットです。
- 顧客ごとに配信内容を変えたい
- 条件分岐やリマインドなど自動化を取り入れたい
- 履歴を蓄積して分析したい
- 予約機能を活用したい
LINE公式アカウントで十分なケース
一方で、シンプルな機能だけで十分な人もいます。
クーポン配布やショップカードの利用など、販促ツールを最低限活用できれば困らないケースです。
2025年3月の「チャットProオプション」導入により、無料版では保存期間が6か月までに短縮されましたが、長期的に顧客データを管理しなくても問題なければ支障はありません。
同じ無料枠でもLステップのフリープランを使えば、自動化やデータ管理の基盤を整えられるため、今後の運用をスムーズに発展させやすくなります。
- クーポンやショップカードを中心に使いたい
- 過去のやり取りを半年以上保存する必要がない
- 顧客データを細かく管理しなくても困らない
まとめ
LINE公式アカウントとLステップは、どちらもLINEを使った顧客対応や集客に役立ちますが、役割やできることには明確な違いがあります。
2025年からはLINE公式アカウントの無料版にチャット履歴保存の制限が加わったため、履歴を長期的に活用したい人にとっては物足りなさを感じるケースも増えるでしょう。
その点、Lステップには無料で使えるフリープランがあり、事業を始めたばかりの人など初期段階から導入しておけば必要に応じて有料プランへ移行できます。
まずはフリープランを試し、自分のビジネスにどの機能が必要なのかを見極めることが、後悔しない選び方の第一歩になります。