
LINEを使った情報配信、なんとなく送りっぱなしになっていませんか?
せっかく友だち追加してくれた顧客に、全員同じ内容を一斉送信するだけでは、読まれずに流れてしまうことも少なくありません。
「顧客ごとに興味や検討段階が違うのに、同じ案内しかできない」という声も少なくありません。
そんな課題を解決できるのが、Lステップのシナリオ配信機能です。
顧客の属性や行動にあわせて、必要な情報を必要なタイミングで自動的に届けられるため、反応率や開封率の改善に役立ちます。
この記事では、Lステップのシナリオ配信について、仕組みや設定方法、注意点、事例まで徹底解説します。
目次
Lステップのシナリオ配信とは?
シナリオ配信とは、あらかじめ作っておいた複数のメッセージを、指定したタイミングで順番に自動で送れる機能です。
「1日目にあいさつメッセージ」「3日目にサービス紹介」「7日目にクーポン送信」など、流れを決めておけば、人の手を動かさなくても自動で配信してくれます。
LINE公式アカウントとの違い
LINE公式アカウントにも「ステップ配信」という似た仕組みがありますが、機能はとてもシンプルです。
- セグメント条件:年齢・性別・地域のみ(例:30代・女性・東京都在住)
- 配信時間:1時間単位でしか指定できない
そのため「行動や興味の条件分け」や「ベストな時間に合わせた配信」は難しくなります。
Lステップの強み
一方で、Lステップのシナリオ配信は自由度が高く、ユーザーの行動や属性に合わせて、配信内容やタイミングを細かく設定できます。
- ユーザーの行動(リンククリックや回答内容など)を条件にした分岐配信
- タグやスコアリングによる顧客管理との連動
- 配信時間を「分単位」で指定可能
これにより「登録から15分後に案内を送る」「朝9時きっかりに配信する」といった細やかなコントロールが可能になります。

Lステップのシナリオ配信でできること
Lステップのシナリオ配信は、ただの自動送信ではありません。
ユーザーの行動や関心に合わせて配信内容を変えたり、配信時間を細かく設定したりと、マーケティングに活かせる機能を備えています。
ここでは代表的な4つを紹介します。
1.分岐配信
ユーザーの行動や回答内容に応じて、次に送るメッセージを切り替えられるのがLステップの大きな強みです。
例えば、メッセージ内のリンクをクリックした人にはサービスの詳細を案内し、クリックしなかった人にはお客様の声を紹介する、といった分岐が可能です。
アンケートの回答をしたかどうかなど、細かい行動を条件にできるため、ユーザーの興味や行動に合わせた情報を提供できます。
結果として「押し売り感」を避けながら、自然に次のステップへ導けるのが特徴です。

2.配信時間の自由設定
ユーザーが最も反応しやすいタイミングで配信できるのも魅力です。
LINE公式アカウントのステップ配信は「1時間単位」の指定しかできませんが、Lステップでは「分単位」での設定が可能です。
たとえば「登録から15分後に案内を送る」「21時30分に配信する」など、自由度の高い設計ができます。
ユーザーの生活リズムに寄り添ったタイミングで届けられるため、開封率やクリック率の向上につながりやすくなります。
3.顧客管理・タグ付け・スコアリング
シナリオ配信と連動して、ユーザー管理ができる点も大きな特徴です。
- 行動内容に応じて自動で「タグ」を付与
- 行動量や購入状況を点数化する「スコアリング」
- タグやスコアを条件にして次の配信内容を変更
これにより「見込み度の高いユーザーにだけクーポンを送る」「まだ興味が薄いユーザーには教育コンテンツを届ける」といった施策が可能になります。
単なる一斉配信ではなく、顧客ごとに合わせたアプローチができるのはLステップならではです。
4.リッチメニュー自動変更
シナリオ配信と連動して、リッチメニューを自動で切り替えられるのも便利な機能です。
たとえば、サービス入会前のユーザーには「サービス紹介用メニュー」、サービス入会後のユーザーには「会員専用メニュー」、イベント中は「イベントを強調したメニュー」といった形で表示を変えられます。

ユーザーがその時に必要な情報をスムーズに見つけられるようになるため、ストレスのない導線設計が可能です。
Lステップのシナリオ配信のやり方
Lステップのシナリオ配信の基本的な手順と、配信タイミングを指定する際のポイントを紹介します。
基本的な設定手順
1. Lステップにログインし、管理画面で「シナリオ配信」を選択

2. 新しいシナリオをクリック

3. 配信タイミングを「時刻指定」または「経過時間指定」から選び「作成ボタン」を押します。詳しい説明はこのあとご紹介します。
4.シナリオの編集をします。まず、以下の4つの項目を設定します。
- シナリオ名:どのような目的で使うかが分かる名前を付けましょう。
- シナリオフォルダ:複数のシナリオを管理するときに整理できるフォルダです。
- 状態:シナリオを「公開/非公開」に切り替える設定です。
- 対象の絞り込み:あらかじめセグメントしたユーザーを指定して配信できる機能です。
5.コンテンツを作成します。「メッセージ作成」からテキストを入力します。必要に応じて画像や動画、スタンプを追加することも可能です。

送信前に、テスト配信で表示崩れや誤字脱字、リンク切れがないかをチェックできます。
時刻指定と経過時間指定の違い
シナリオ配信で特に重要なのが、配信タイミングの指定方法です。
時刻指定:毎日〇時など、決まった時刻に全員へ送信
例)毎朝9時に「お役立ちコラム」を配信

注意点としては、シナリオ購読開始のタイミングがその日の配信時刻を過ぎていた場合、最初の配信は翌日の同じ時刻からスタートする点です。
経過時間指定:ユーザーが登録してから〇時間後、〇日後に送信
例)登録直後に「挨拶メッセージ」、3日後に「サービス紹介」

注意点としては、設定によっては夜遅くや早朝に配信されてしまう場合があります。ユーザーの迷惑にならないよう、時間帯を意識した設計が必要です。
シナリオ構成を作る時に意識したいポイント
シナリオ配信は、ただメッセージを順番に並べるだけでは効果が半減してしまいます。
挨拶から始めて役立つ情報を伝え、最後に特典や申込を案内するように、段階を踏んだ流れを作ることで、ユーザーに安心感を与えながら行動につなげられます。
ここでは、押さえておきたい4つのポイントを紹介します。
- 目的を明確にする
- 信頼を築く
- ストーリー性を持たせる
- 行動を促す仕掛けを入れる
1.目的を明確にする
シナリオを設計する前に、最終的にどんな行動を促したいのかを明確にしましょう。
「無料体験に申し込んでほしい」「購入につなげたい」「長期的にファンになってほしい」など、目的によってメッセージの構成は変わります。
ゴールが曖昧なまま作ると、途中の流れも散漫になってしまうため、まずはシナリオの「着地点」を決めておくことが大切です。
2.信頼を築く
登録直後のユーザーは、まだサービスや企業に対して十分な理解や信頼感を持っていない可能性があります。
最初の数通は「自己紹介」「理念」「ユーザーへの感謝」など、売り込み色の少ない内容を入れる方が信頼関係を掴みやすいです。
最初からセールスを続けてしまうと離脱の原因になるため、信頼を積み上げてから商品紹介やオファーにつなげる流れを意識しましょう。
3.ストーリー性を持たせる
シナリオ配信は、単発のメッセージを並べるのではなく「ストーリー」としてつなげると効果的です。
例えば「課題提起→解決策の提示→成功事例の紹介→特典案内」といった流れにすることで、自然にユーザーが読み進められます。
小説のようなドラマ性を持たせる必要はありませんが、「続きを知りたい」と思ってもらえるような構成を心がけましょう。
4.行動を促す仕掛けを入れる
ただ読ませるだけでなく、ユーザーがアクションを取りやすい仕掛けを入れることも大切です。
アンケート回答、クイズ、リンククリックなど、小さな行動を促すと「参加している感覚」が生まれます。
そのデータをもとにタグ付けやスコアリングを行えば、次の配信にもつなげられます。
ユーザーの関心度を測りつつ、段階的にゴールへ導けるのがLステップの強みです。
シナリオ構成を作るときは「目的→信頼構築→ストーリー→行動促進」の流れを意識することが大切です。段階を踏んで関係性を深めれば、無理のない形で成果につながるシナリオが完成します。
Lステップでシナリオ配信するときに気を付けること
シナリオ配信は非常に便利ですが、正しく理解しておかないと期待した効果が得られないこともあります。
ここでは特に注意しておきたい3つのポイントを紹介します。
1.シナリオは一つしか購読できない
Lステップでは、1人のユーザーが同時に購読できるシナリオは一つに限られています。
例えば、既存のシナリオを購読中に新しいシナリオへ登録すると、自動的に前のシナリオは解除されます。
複数の流れを同時に届けたい場合は、1つのシナリオの中に条件分岐を組み込む必要があります。
設計時にこの仕様を理解しておかないと、ユーザーに意図しない体験を与えてしまう可能性があるため要注意です。
2.配信タイミングに注意する
メッセージを送る時間帯は、ユーザーの反応に大きく影響します。
夜遅すぎる時間や早朝の配信は、不快感やブロックの原因になりやすいため避けましょう。
一般的には朝9時〜夜21時頃までが安心とされますが、業種やユーザー層によって最適な時間帯は変わります。
開封率やクリック率をチェックしながら調整を重ねることが成果につながります。
3.定期的にシナリオの見直しをする
一度作ったシナリオも、そのままでは効果が下がることがあります。
キャンペーン終了後に古い情報が残っていたり、リンク切れがあったりすると信頼を損なう要因になりかねません。
定期的に配信内容をチェックし、必要に応じて修正やアップデートを行うことが大切です。
特に分析機能を活用して反応率を確認し、効果の高いシナリオへ改善していきましょう。
シナリオ配信を運用する際は「購読は一人一つ」「配信時間帯の配慮」「定期的な見直し」という3つのポイントを意識することが欠かせません。
これらを意識することで、ユーザーにとってより効果的にシナリオ配信が行えます。
Lステップのシナリオ配信を活用した事例
業種別でシナリオ配信を活用する場合の事例をいくつかご紹介します。
美容室の事例
美容室では、友だち追加時にアンケートで事前カウンセリングを行うケースが多く見られます。
Lステップなら、このアンケートをツール内で作成し、シナリオ配信に組み込むことが可能です。
さらに、回答内容によって次の配信を変えることもできます。
例えば「髪を切る頻度は何ヶ月に一度ですか?」という質問に対して「2ヶ月に1回」と回答した顧客には、回答から50日後に「そろそろご予約いかがですか?」というメッセージを自動で送れます。

こうした仕組みを活用すれば、顧客一人ひとりに合ったタイミングでリマインドでき、売上アップやリピート率向上につながります。
マーケティング支援会社の事例(SAKIYOMIさま)
株式会社BALSAでは、インスタグラムを起点に集客を行うマーケティング支援会社のSAKIYOMIさまのLINE運用を支援させていただきました。
SAKIYOMIさまでは、SNSからLINEへ誘導し、ユーザーアンケートで属性を把握。その情報をもとに、セールスをシナリオ配信で自動化しました。
さらに、送信者アイコン変更機能※を活用し、配信メッセージの送信者を「各担当者の顔写真」に設定することで、ユーザーに「担当者と直接やりとりしている」感覚を持ってもらえる仕組みを構築しました。
これにより、個別相談への参加率は従来の50〜60%から80%以上に改善。導入から1年で1,000件超の成約を達成するなど、大きな成果につながっています。

プロフィール画像に設定されているアイコン以外に、メッセージ送信者のアイコンと名前を登録・切替できるLステップの機能です。
まとめ
本記事では、Lステップのシナリオ配信について解説しました。
シナリオ配信は、登録直後の挨拶から購買促進まで、ユーザーの行動や興味に合わせて必要な情報を自動で届けられる仕組みです。
分岐配信やタグ付け、リッチメニュー自動変更などを組み合わせれば、開封率や購入率の向上も期待できます。
ただし、一人につき購読できるシナリオは一つのみであること、配信時間帯の設定、定期的な見直しといったポイントには注意が必要です。
シナリオ配信をまだ活用できていない方や、これからLステップを導入する方は、ぜひ本記事を参考にシナリオの設計を始めてみてください。
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